介護タクシー(福祉輸送限定)新規許可申請の手続き

一般乗用旅客自動車運送事業許可(福祉輸送限定用)、いわゆる介護タクシー事業を始めたい方にむけて、新規許可申請をする場合の手続き内容をご案内します。
介護タクシーの事業を始めるには、管轄の運輸局に書類を提出する必要があります。神奈川県の場合は、横浜にある神奈川運輸支局の2階にある輸送課に提出する必要があります。
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必要なもの
自動車運送業一般に必要なものとして、大きく3つあげることができます。
1.人の要件
「人」としては事業主、運行管理者、整備管理者が必要になります。また、運転者は自動車運転免許二種を持っている必要があります。弊所にご依頼される方はほぼ個人事業主の方が多く、事業主(許可を受ける人)が自動車運転免許二種をお持ちの方が1人で事業主・運転者・運行管理者・整備管理者として申請・許可を受けています。また、法人であっても、小規模事業者(少人数運営)の場合は個人の方の申請とさほど大きな変わりはありません。ただし、提出書類に法人特有のものが加わってきます。
2.物の要件
営業所、睡眠・休憩施設、車両といった不動産などが必要になります。個人や小規模事業者の方はほぼご自宅を営業所、睡眠・休憩施設に設定されます。完全新規の場合は車両を新規で購入される場合もあり、また、運賃認可申請までに、時間制なのか距離制なのかといった点でメーターを車両に備えるかといった点も前もって決定しておくことが必要になってきます。
3.お金の要件
事業を運営するにあたって、資金がショートしないかという点を申請する時点で申告することになります。申請時に、月にいくらくらい人件費(お給料といった認識です)を含めた経費が必要か、申請時の預金残高などがいくらくらいあるかを申請書に記入します。
必要書類
経営許可申請
経営許可申請書の手引き(関東運輸局)
提出する場合、運輸局・運輸支局・控えの3部を用意し、提出する必要があります。
| 必要書類書式名 | 記入内容 |
| 一般乗用旅客自動車運送事業経営許可申請書(申請書様式例) | 申請者(及び代理人)の情報を記入します |
| 事業計画 | 営業所・車庫の情報を記入します |
| 宣誓書(様式1) | 欠格事由などの問題がないことを宣誓します |
| 事業用自動車の運行管理等の体制(様式2) | 運行管理者・整備管理者の情報などを記入します |
| 事業開始に要する資金及びその資金の調達方法 | 1.所要資金及び事業開始に要する資金の内訳(様式3-1) 2.資金の調達方法(様式3-2) |
| 添付書類 | 1. 事業の用に供する施設の概要及び付近の状況を記載した書面 □ ① 営業所、車庫、休憩、仮眠又は睡眠のための施設の案内図(営業所、車庫、休憩、仮眠又は睡眠のための施設の距離) □ ②営業所、車庫、休憩、仮眠又は睡眠のための施設の見取図、平面図(求積図) ③ 施設の使用権原を証する書面 □ 自己所有:不動産登記簿謄本等 □ 借入:賃貸借契約書(写)等 ④ 計画する事業用自動車の使用権原を証する書面 □ 車両購入:売買契約書(写)、売渡承諾書(写)又は見積書等 及び車両カタログ(諸元表) □ リ ー ス:自動車リース契約書(写)及び車両カタログ(諸元表) □ 自己所有:電子化されていない自動車検査証にあっては自動車検査証(写) 又は電子化された自動車検査証にあっては自動車検査証記録事項 □ 2. 計画する管理運営体制(様式例2) □ 3.事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法を記載した 書類(様式例3-1、3-2) □ 任意保険の見積書(補償額、対物保険に係る免責額、保険料の分かるもの) □ タクシーメーター器の見積書(タクシーメータ器による運賃を収受する場合に限る。) □ 申請日直近の残高証明書(申請者名義) □ 4.法第7条(欠格事由)各号のいずれにも該当しない旨を証する書面 及び法令遵守状況を証する書面(宣誓書)(様式例1、様式例4) 5. 既存の法人にあっては、次に掲げる書類 □ ① 定款又は寄付行為 □ ② 登記簿の謄本 □ ③ 最近の事業年度における貸借対照表 □ ④ 役員又は社員の名簿及び履歴書 6. 法人を設立しようとするものにあっては、次に掲げる書類 □ ①定款(商法第167条及びその準用規定により認証を必要とする場合にあっては、認証のある定款)又は寄付行為の謄本 □ ② 発起人、社員又は設立者の名簿及び履歴書 □ ③設立しようとする法人が株式会社又は有限会社である場合にあっては、株式の引受け又は出資の状況及び見込みを記載した書面 7. 個人にあっては、次に掲げる書類 □ ① 資産目録 □ ② 戸籍抄本 □ ③ 履歴書 □ 8. 運転者の運転免許証(両面写) |
| 法人の場合は上記に加えて2点が必要になります | 宣誓書(様式4) 役員名簿 |
なお、基準変更により、タクシー事業に関しては幅員証明書の取得・提出は不要になりました。
これに加え、同時に運賃の認可申請をおこなうことをおすすめします。新規許可申請の許可がおりた後に運賃認可申請すると、実際に運行開始できるようになるには運賃認可がおりるまでのプラスの期間が生じてしまいますので、事業新規許可と同時に申請しましょう。
運賃認可申請
運賃設定申請様式(自動認可ケア)(関東運輸局)
| 必要書類書式名 | 記入内容 |
| 一般乗用旅客自動車運送事業の運賃及び料金(福祉輸送サービス)設定認可申請書 | 営業区域、運賃設定(営業区域ごとに設定されています)等を設定し、記入します |
手続きの流れ
1.申請書類作成準備
準備に手間がかかるのは、添付書類の「事業の用に供する施設の概要及び付近の状況を記載した書面」です。土地建物が自分のものか、賃貸借するのか、使用貸借するのかによって必要な書類は変わってきます。車両も同様に、自分名義のものなのか他人名義のものなのか(ローンを組んでいるものなのか)によって必要な書類は変わってきます。
また、任意保険の書類はこの段階では申請者名の見積書を取ってください。もし、自動車が自分の所有者・使用者名義でない場合でも見積もりは取れますので、誰かから借りて使う場合やローンを組んでいる場合はそのままの状態で見積もりを保険会社にお願いしてください。実際に運行を開始する前に、車検証上の使用者名を変更する手続きをおこないますので、この段階では自動車登録上の手続きはしません。
申請に必要な書類や内容は、申請者によって変わってきます。申請時に多少の不備があっても、必ず必要なものが欠けていない限りはいったん窓口で申請を受け付けてくれますが、審査には時間が加算されてしまうことがありますので、注意が必要です。電子申請の場合は、受付後に補正というかたちで画面表示がなされるかと思います。なお、弊所は確実に手続きがおこなえるよう、必ず窓口に紙で申請をしております。
2.申請
窓口で同じ書類を3部提出します。この時点で、経営許可申請と運賃認可申請を必ず同時に申請します。運賃認可には注意点があり、メーターを取り付けていないのに距離制でも申請してしまうと、実際に運行開始時にメーターがなければ運行が許されません。運行開始できるはずなのに、メーターを取り外す認可変更の申請をしなければならなくなります。それにかかる時間が1~2カ月になってしまって大きなタイムロスになります。
そのため、必ず時間制と距離制の両方を申請するのか、いずれかのみにするのかを間違わないようにしましょう。
また、申請後に補正といって修正依頼がくることもあります。その対応が遅れると、その分許可や認可にも遅れが出ますので注意が必要です。電話で直接補正の内容を指示されることが多いですが、補正そのものはメールで添付して提出します。
3.許可・認可
いずれも標準処理期間(審査期間)は3か月と設定されています。実際にはもう少し短い期間で許可・認可が出ます。許可・認可がおりると、運輸支局から連絡が入ります。許可・認可がおりてからだいたい1週間後に許可書・認可書を受け取ることができます。運輸支局側から指示がありますので、それにしたがってください。
窓口で許可書を受け取る際に、事業関係についての分厚い資料を受取ります。そのとき、登録免許税(3万円)の払込票を受け取ります。許可後1か月以内の支払期限がありますが、払い込んだ後に控えを提出する必要があります。そのため、神奈川運輸支局はすぐそばに池辺郵便局がありますので、受け取った後に払い込んでその足でもう一度運輸支局の窓口に行き、控えを提出することをお勧めします。
運賃認可に距離制(メーター付け)も申請していた場合は、この認可書をもとに、メーターの設定を業者さんにお願いすることになります。
4.運行開始届の作成・提出
実際に運行を開始した後に、運行開始届を運輸支局に提出します。
許可書を受け取る際に、事業関係についての資料を受取ります。そのなかに運行開始届の原本が含まれていますので、記入して添付書類を作成し、窓口に提出します。
添付書類の作成は、実際の施設・車両などの写真を撮影し、A4用紙に印刷して提出することが求められています。写真撮影するもののなかには車両に貼るステッカーがありますが、これには文字やサイズの指定がありますので、注意が必要です。その旨が記載された資料が渡されますので、それに沿って準備しましょう。
運行開始届を提出して、経営許可の手続きが終わります。郵送での受付もしてはくださいますが、弊所では基本的にすべて窓口で手続きをおこなっています。
運行開始後、変更事項が生じたら
経営許可申請にこぎつけることができれば、あとは指示にしたがって補正対応をしたり、問題なければ許可が出るまで待つということになります。補正連絡がきてもあわてる必要はありません、むしろ手続きが進んでいるんだなと受け取っていいです。
申請前、申請後、許可後にそれぞれやることがあります。申請の準備、許可後の準備を含めて事業を開始するにあたっての計画が重要になります。申請時の書類にも「事業計画」とあるように、その計画に沿って事業を行うことが求められます。
運行の開始後に、この「事業計画」に変更があった場合は、別途認可の変更や届出が必要になります。たとえば、車庫を移動したり、増やしたり減らす場合は認可の変更手続が必要になります。車両数を増やしたり減らしたりする場合は事前の届出が必要です。運賃を値上げしたい場合も、運賃の認可の変更申請が必要です。
許可を取った後も、実態に則した事業経営をおこなうように気を付けましょう。

