コロナと補助金制度について

 先週、10月11日に財務省の諮問機関である財政制度等審議会の歳出改革部会で事業再構築補助金についての議論がなされたとのことです。

見直しを求める声

 事業再構築補助金の目的は、「ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い切った事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すこと」とされています(経済産業省)。

 今回、この部会で議論されたのは「交付先としてふさわしくない事業が散見され、補助金の再検証を求める」といった意見が出たということです。事業再構築補助金は補助額・補助率ともに高く、思い切った業種転換などに使われるものです。しかし、そうでないケースが多くあるということでした。

疑問視されたケース

 毎日新聞の記事にこのような内容が記載されていました。

財務省によると、9月に交付先に採択された5205件のうち、ゴルフ関連が79件もあった。「ゴルフ歴30年の個人事業主が最新のゴルフシミュレーターを導入。シニア層の健康づくりなどを応援」など、思い切った業態転換と評価するのが困難な計画もある。

毎日新聞「コロナ対策「事業再構築補助金」 財政審で再検証を求める意見相次ぐ

 もっとも、補助金事業の予算は約5,600億円ほどが残ってしまっているとのことです。今後、予算の使い切りの問題もありつつ、一部の事業(今回はゴルフ関連ということです)に集中しないようにするためにどうすべきかなどの議論があがったとのことです。

「補助金ありき」は危険です

 事業をおこなうにあたって、「補助金受けたい」という理由がなにかということはとても重要です。「もらえるから」がスタートになると、もらうことが目的になってしまって事業計画を立てる際にネックになります。どうしたら売り上げが上がるか、集客のためには何が必要かといったことはそれぞれ異なってきます。

 また、補助金の申請は申請をする事業主が自ら進んで動くことが必要です。小規模事業者持続化補助金にいたっては、申請者が自ら商工会議所に赴く必要があります(行政書士が代理で行くことはできません)。弊所では、完全な丸投げのかたちでの補助金申請サポートはお受けしておりません。あくまでサポートになります。

 今後、補助金制度は見直しがなされる可能性が高くなっていると考えられます。原資は税金です。「貰えるから貰っておく」「知っているだけが使う」のではなくて、「必要としている者が必要だから使う」という制度であるべきと私は感じています。

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