印鑑について ご注意

 名義変更(正式には移転登録手続きといいます)をする場合、必ず必要になるのが実印です。その実印を押印する書類がいくつかあり、ひとつは「譲渡証明書」、もうひとつは第三者にお願いして手続きをしてもらう場合の「委任状」です。印鑑証明書と同時に提出します。必ず正しい実印をご使用ください。

 まずは必要書類について簡単に説明したあと、ここで使う実印について注意していただきたい点についてお話ししていきます。

実印の押印が必要な書類

譲渡証明書への押印

 元の所有者(以降、旧所有者と表記します)から新しい所有者に自動車を譲り渡すことを証明する「譲渡証明書」という書類を作成する必要があります。そこに押印するのが旧所有者の実印です。

 この書類で注意が必要なことは、「旧所有者の実印のみ押印すること」です。「譲渡人及び譲受人の氏名又は名称及び住所」の部分には、一段目の欄に旧所有者の氏名・住所を記入して「譲受人印」の部分に旧所有者の実印を押印します。

 その下の二段目の欄に新所有者の氏名・住所のみ記入します。新所有者はこの書類に押印する場所はありません。譲渡年月日には手続きをする日までの日付を記入するのが良いでしょう(私が代行をさせていただいたケースでは手続きをする日付を記入しました。)

委任状への押印

 こちらは第三者にお願いして手続きをしてもらう場合に必要となる書類です。そして、これは旧所有者も新所有者もそれぞれ実印を押印してもらう必要があります。1枚に2人分を記入、もしくはそれぞれ1枚に1人で2枚記入しても問題ありません。

 委任者がふたつ分ありますので、それぞれ旧所有者と新所有者が記入することになります。そして、ここで押印するのは実印になります。実印を押印することで、提出する書類に不備があっても受任者(手続きをしてもらう第三者)にその修正などをしてもらえるようになります。したがって、ここでは絶対に実印を押印しましょう。

実印の「欠け」

 以前、ある陸運局で印鑑として登録していた実印を押印した書類を提出したところ「手続きできません」と突き返されたことがあります。その印鑑は認印くらいの小さいものだったこと、名前部分に欠けがあったことによって受け付けていただけませんでした。

 そのときどうしたかというと、実印の登録し直しをしました。登録手続きをする時点で、提出する書類に押印された実印が正しいものであることを確認できればよいので新しいものにすれば問題はないです。結局、何度か役所と陸運局を行ったり来たりすることになってしまいました。

 今回、手続きにあたり依頼者様の実印に欠けがありましたので陸運局に問い合わせたところ、FAXで確認していただくことができました。氏名部分に直接欠けがあったわけではなかったので、今回は手続き可能ですとおっしゃっていただくことができました。

 また、このまま使い続けると欠けが広がってしまう危険や他の公的な機関での手続きの際に受け付けてもらえない可能性があるのでできることなら新しいものに変更しておいてくださいとのお言葉をちょうだいしました。

 少し手続きは面倒くさくなってしまいますし、実印を使う場合は限られてはいます。欠けがある場合は、新しいものに変えておきましょう。私は欠けのことや保管のことを考えて、実印も職印もすべてチタン製にしています。いつかは必要な場合がくると思いますので、実印は大切に使用・保管しましょう。

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