普通自動車 所有権留保の解除

ローンを組んで自動車を購入した場合、ローン契約中の自動車の所有権は代金が完済されるまでローン会社等にあります。この状態は「所有権が留保されている」といわれます。車検証上では、所有者の欄にそのローン会社等となっており、使用者が購入者となります。その名義を変更する手続きを、「所有権留保の解除」といいます。

手続きの流れ

管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所に申請します。

管轄が変わらない場合(ナンバー変更がない場合)

  • 所有権留保の解除に必要な書類を準備(ローン会社に発行依頼をする)
  • 解除の手続き(申請書類の提出、車検証交付)
  • 県税の申告、納税

以上で手続きは完了です。

管轄が変わる場合(ナンバー変更が必要な場合)

  • 所有権留保の解除に必要な書類を準備(ローン会社に発行依頼をする)
  • 解除の手続き(申請書類の提出、車検証交付)
  • 県税の申告、納税
  • ナンバー交換封印

以上で手続きは完了です。

各会社での書類発行について

各会社のページから、所有権留保解除に必要な書類を取得するための手続きについて、一部ご紹介していきます。ご自身が契約されている会社に申請して書類を取得してください。

トヨタモビリティ東京

  • 所有権解除書類交付依頼書<原本> 委任状不可
  • 自動車検査証(以下、車検証)<鮮明なコピー>FAX受領、写真データなど不鮮明なものは不可
  • 車検証上の使用者の印鑑証明書<原本>
  • お支払いの完了を証明できる書類(「契約終了のご案内」「所有権留保解除承諾書」「所有権留保車両について」など)
  • 返信用封筒
トヨタモビリティ東京

日産自動車販売株式会社

  •  完済証明書もしくは所有権解除用確認書(日産SSCからFAXで送られてきたもの)
    (確認結果が、「クレジット会社の確認が必要」の場合、クレジット会社の「契約終了のご案内」または「完済証明書」等が必要となります。)
  • 車検証コピー(お手持ちの車検証が電子車検証の場合は、同時に発行されている「自動車検査証記録事項」のコピーも添付してください。) 
  • 使用者の委任状(自署・捺印(実印))(原本)
  • 使用者の印鑑証明書(原本)
    ※発効日より3ヶ月以内のものをご用意ください。
  • 納税証明書(コピー)
    ※令和6年4月以降に車検を受けている場合は不要です。
    ※ネット決済などでお手元に納税証明書が無い場合は、 都道府県税事務所等で発行できる自動車税・軽自動車税の納税証明書(継続検査等用)をご用意ください。
日産自動車販売株式会社

必要な書類

基本的に移転登録(名義変更)手続きと同じです。

管轄が変わらない場合(ナンバー変更がない場合)

必要書類用意する人内容
申請書(OCRシート)
第1号様式
・申請書は陸運局で無料でもらうことができ、インターネットでダウンロードしてプリントアウトすることも可能です(第1号様式
・代理人による申請の場合は記名のみで足ります
手数料納付書・納付書は陸運局で無料でもらえます
・500円の印紙を貼付
・印紙は陸運局のそばで購入できます
譲渡証明書・旧所有者(ローン会社)・ローン完済後、使用者が各会社に申請して取得する必要があります
印鑑登録証明書・旧所有者(ローン会社)・ローン完済後、使用者が各会社に申請して取得する必要があります
委任状
代理人による申請の場合に必要
・旧所有者(ローン会社)
・新所有者(現使用者)
・旧所有者の委任状(実印の押印が必要)
・新所有者の委任状(実印の押印が必要)
自動車検査証・新所有者(現使用者)・原本を返納します
自動車税(環境性能割・種別割)申告書・陸運局そばの税事務所で申請します

管轄が変わる場合(ナンバー変更が必要な場合)

必要書類用意する人内容
申請書(OCRシート)
第1号様式
・申請書は陸運局で無料でもらうことができ、インターネットでダウンロードしてプリントアウトすることも可能です(第1号様式
・代理人による申請の場合は記名のみで足ります
手数料納付書・納付書は陸運局で無料でもらえます
・500円の印紙を貼付
・印紙は陸運局のそばで購入できます
譲渡証明書・旧所有者(ローン会社)・ローン完済後、使用者が各会社に申請して取得する必要があります
印鑑登録証明書・旧所有者(ローン会社)・ローン完済後、使用者が各会社に申請して取得する必要があります
委任状
代理人による申請の場合に必要
・旧所有者(ローン会社)
・新所有者(現使用者)
・旧所有者の委任状(実印の押印が必要)
・新所有者の委任状(実印の押印が必要)
自動車検査証・新所有者(現使用者)・原本を返納します
自動車保管場所証明書
(車庫証明)
・新所有者(現使用者)・使用者(新所有者)のもの
・自動車保管場所証明書適用地域の場合に必要
・証明の日から概ね1ヶ月以内のもの
・警察署へ提出、取得が必要
ナンバープレート・現使用者・返却が必要です
自動車税(環境性能割・種別割)申告書・陸運局そばの税事務所で申請します

完済したのに放置、実際に起きたこと…

購入先の販売店が撤退

弊所でうかがったお話では、外国旧車ユーザーの方で「ローンは完済したのだけれど、所有権留保の解除をしようとしたら会社が撤退していた」というパターンです。この件では、新車をディーラーで購入しているということでしたので、どの会社が引き継いでいるのかを調査することから始めました。

この場合、まずはどの会社が引き継いでいるのかを調査するところからはじめます。引き継いだ会社がわかったら、その会社のコールセンターなどに車検証を準備して状況を伝えると手続き方法を案内してくれます。対応してくださる会社の場合、必要書類を用意してもらったら、名義変更の手続きをおこなうことが可能です。

新車をディーラーで購入することの強みはこういう部分にあるかと思います。

販売店が廃業

過去によくあったケースとしては、所有者欄に販売店等の名前が載ったままその販売店等が廃業してしまった場合です。旧車では今でも存在するケースではないでしょうか。ローン会社を利用する場合であれば、そのローン会社に問い合わせれば済むわけですが、販売店となるといわゆる「詰み」状態となります。

使用者の変更をするにも、所有者の委任状が必要となるため、かなり厳しい状況です。残念ですが、手続きは難しくなるでしょう。

車検証がなければ解除できない

これも旧車ユーザーさんから聞いた事例です。こちらは、現在レストアなどで動かせない状態のお車なのですが、「車検を通していない状態なので手続きができない」+「購入したときのディーラーの店舗が存在しない」のダブルパンチです。結局、このケースでは車が動く(車検が通った)状態になった段階で、親会社に問い合わせて書類を出してもらうことしか所有権留保を解除することができません。

動いている間に手続きをすべきでした。

手続きはおまかせください

ローンが完済された場合、この「所有権の留保」を解除することにより所有者を自分に名義変更することができます。逆にいえば、ローンが完済されていない状態ではあくまでも購入者さんは使用者にすぎません。誰かに使用者を変更することはできても、所有者が自分でない以上は売買・譲渡の手続きを自由にすることができません。

所有権留保を解除しないということは、自分のものなのに他人のもの(他人名義のまま)ということになってしまいます。できる限り早く、名実ともに自分のものにしましょう。平日に手続きが難しい場合は、ぜひご相談ください。

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