補助金申請する場合の注意点
補助金申請サポートをさせていただくにあたり、いくつかの注意点とポイントをお伝えすることにしております。今回はその内容についてまとめてみました。
事前にお知らせしています
1.補助金申請をしても必ず採択されて補助金が受け取れるわけではありません
補助金の交付決定は毎回採択率が出されるように、どんな内容でも確実に採択されて補助金が受けられるわけではありません。申請内容が具体的かつ実現可能であることが必要で、内容も数字などの根拠をしっかりと申請書に落とし込む必要があります。補助金の原資は国の予算であり税金です。審査官も内容を重視しています。
2.補助金は補助金適正化法という根拠法に基づいて運用されるものです
あらゆる補助金や助成金、給付金に通じることではありますが、嘘の申請でお金を手に入れることは違法です。補助金の申請と採択・交付は補助金適正化法というルールに基づいて行われています。この法律でも罰則の規定が存在します。たとえば、
補助金適正化法29条
偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受け、又は間接補助金等の交付若しくは融通を受けたものは、5年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2.前項の場合において、情を知つて交付又は融通した者も、また同項と同様とする。
と規定されています。持続化給付金や事業復活支援金、月次支援金なども同様に処罰対象になります。偽りなく、きちんとしたルールに則った申請をしなければなりませんということです。
3.補助金交付決定通知書を受け取った後でないと経費の支出等はできません
審査の結果、申請した補助金が採択されることになると補助金事務局から採択通知書が送付されます。その後、正式に認められると補助金交付決定通知書が送付されることになります。補助金の対象になる支出はこの補助金交付決定通知書が手元に届いてはじめて認められます。採択通知書が届いたからといって支出しないように気をつける必要があります。
4.補助事業の内容等を変更する際には事前の承認が必要です
たとえば補助事業の内容を変更したい場合(経費の支出内容を変えたいなど)は、補助事業の交付の目的に沿った範囲内であらかじめ所定の変更承認申請書を補助金事務局に提出して承認を得なければなりません。一度申請したものについて、内容が軽微でない限りは簡単には変更が可能ではないということです。
5.定められた期日までに実績報告書等を提出しないと補助金は受け取れません
申請した補助事業が採択され、補助金交付が決定したあとにはじめて補助事業を実施することができるようになります。もし定められた期日までに実績報告書が確認できないような場合にはせっかく補助金事業が採択されて交付決定を受けていても補助金を受けられなくなります。しっかり期日を守りましょう。
6.実際に受け取る補助金の額は交付決定通知書に記載された金額より少なくなる場合があります
補助金の上限額を引き上げる取り組みをする計画で補助金の交付決定を受けていても5の実績報告書の確認時にその要件を満たしていないと認められると補助上限額が引き上げられない場合があります。また、補助事業の対象外の経費まで含めて申請してしまうと後になってその経費支出を除外して再計算するように事務局から指示され減額されることもあります。
7.所定の取得財産等の目的外使用、譲渡、担保提供、廃棄等の処分には制限があります
単価50万円(税抜)以上の機械装置等の購入、自社サイトの外注制作、店舗改装による不動産の効用増加は処分制限財産になります。そのため、補助金事業が完了して補助金を受給した後は一定期間は目的外使用、譲渡、担保提供、廃棄等の処分は制限されます。それにもかかわらずしてしまった場合は後に補助金の交付の取り消しや返還命令の対象になってしまうことがあります。
8.補助事業の関係書類は事業終了後5年間保存する必要があります
日本商工会議所や国の補助金等の執行を監督する会計検査院からの求めがあればいつでも閲覧できるような状態にして保存しておかなければなりません。これまでの持続化給付金や月次支援金、事業復活支援金のケースと同じです。
9.国が助成する他の制度と重複する事業は補助対象となりません
同じ内容で他の補助金制度や委託費等の補助と重複する事業については対象外になります。申請する場合は他の制度と被っていないか確認する必要があります。
補助金制度に沿った申請を
補助金は国に「補助をお願いしたいのですが」と申請し、審査官がその内容をチェックし、採択するかどうかを判断されて交付の決定を受けることができたらはじめて事業としてはじめられるものです。簡単な手続きではありませんが、目的と将来のビジョンをもって申請することでグッと採択される可能性が高まると思っています。補助金の申請をお考えの皆さまに、わたしからの質問です。
「どんな事業展開をしたいですか?」