紙の車検証がICカード化

2023年1月から紙の車検証がICカードに生まれ変わっていくことをご存知でしょうか?今回は、自動車業界にもデジタル化の波が押し寄せ、業界の大転換期に入っていることをご紹介していきます。

自動車業界もデジタル化の動き

自動車関連の手続きは年間3000万件もあるといわれており、長らく手続きを簡素化することで負担を軽減していくことが重要な課題でした。そこで国土交通省では自動車検査証の電子化に関する検討会を開き、車検証のICカード化について話し合いを行いました。

手続きの簡素化のための制度として、平成17年からは自動車手続きのワンストップサービス(以下、OSS)がスタートしています。OSSは自宅にいながらインターネットを利用して24時間いつでも継続検査、変更登録、移転登録、中古車新規登録、一時抹消登録及び永久抹消登録の手続きが行えるというものです(一部できない地域もあります)。

しかし、実際にはまだまだ一般的に普及していない面もあり、今あるこの制度を活用して自動車手続きの簡素化を進めようという動きの一環として今回の車検証のICカード化の推進につながっているのではと考えられます。

ICカード化によって何が変わるのか?

具体的な内容は?

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国土交通省の発表によると、電子化によりディーラーや指定整備業者が陸運局に行かずともOSSを利用することで車検の手続きが完了することになります。新しくなる車検証を受け取りに行く必要もなくなるためです。

もっとも、OSS申請の対応がされていないユーザー車検(継続検査)や構造変更などの手続きに関しては引き続き陸運局に出向く必要があるのではないかと国交省の自動車検査証の電子化に関する検討会報告書を読む限りは思うところです。

実際の車検証ICカードのイメージは?

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カードのサイズはA6サイズ程度の台紙にICタグを貼り付ける方式になると発表されています。記載事項は基本的に『変更のないもの』であり、有効期間などの『変更があるもの』についてはICチップ内に情報が格納されるようです。

記載変更や名義変更によってはカードそのものに記載されている情報の変更となります。今回開示されている情報をみる限りはその点が明確ではありませんでした。ICカード自体の再発行というかたちになるのではとも考えられます。今後、制度が始まってから推移を見守っていく必要があります。

すべての車検証がICカードになります

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今後ICカード化されることで新しい紙の車検証の発行が不要になります。ICチップに情報が記録されるため一度ICカードが作成されると上書き保存というかたちになっていきます。つまり、これまでの手続きが簡素化されていきます。

OSSを利用して新たな車検証ICカード作成をする場合は、利用しない場合に比べて待ち時間が少なくなるというメリットがあるようです。制度運用の開始時は陸運局内で対応されるケースが多いのではと感じます。

なお、OSSを利用しない場合の各手続きについてはこれまでどおり陸運局での手続きとなりそうです。また、ご自身でICカードに登録されている情報を確認したい場合は、ICカードリーダなどを利用することが想定されています。セキュリティの問題もあり、車検証としてのデータ以外にあらゆるデータの紐付けも検討されています。

いつから、どうなっていく?

現状、2023年1月から制度が開始される予定です。この時期に新車購入や継続車検が行われる方の車検証がいち早くICカードになるでしょう。

すでに2019年に改正された道路運送車両法の改正で、「4年以内にICカードに対応」となっているので2026年あたりにはICカード化が普及することになるようです。移行される間の3年ほど(2023〜2026年)は、紙の車検証とICカードが混在することになります。

大転換になりそうな新たな制度です。自動車ユーザーとしても「そんなの知らなかった!」とならないようにアンテナを張っていきたいものです。

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