書類のない旧車を買う前に注意したいこと

事前のリサーチを必ずしましょう

いわゆる旧車の市場は現在バブルともいえる状態です。その車にどうしても乗りたいと所有している場合の他に、部品取りで所有する場合、資産として所有する場合など、さまざまなパターンがあります。

旧車の業界では、さまざまなパターンにくわしい方が大勢いらっしゃいます。私自身も業界の方からいろんなお話を伺う機会があります。くわしい方には釈迦に説法となってしまいますが、ブームの一環で購入される方がおられるのも現実です。

古い車はその価値の高さや愛着といったプラスの面と部品が出てこない、不具合が出て修理にお金がかかるといったマイナス面もおおきく持ち合わせた、いろんな困難が待ち受ける存在でもあります。

なかには書類なしの車を「希少価値が高い」、「現存数が少ない」、「今購入しないと二度と出会えない」という思いで購入してしまい、のちになって「走行させたいのに書類がない」と諦めざるを得ない状況に陥ってしまう方がいらっしゃいます。

そうなる前に、まずはその車が現在どういった状況にあるのかを購入前に下調べすることをおすすめします。少し手間かもしれませんが、後々のことを考えれば難しいことではありませんので、ぜひ実行してみていただきたいのです。

現状確認はご自身でできます

購入前のリサーチとしてひとつおすすめしたいことがあります。それは、お近くの陸運局で「登録事項証明書」を取得することです。車検証を紛失した場合は、登録している管轄の陸運局でなければ取得できません。他方、この登録事項証明書の取得は全国どこの陸運局でも可能です。

国土交通省のサイトもしくは陸運局にそなえてあるOCR第3号様式の書類に以下の必要事項を記入し、登録関係を取り扱う窓口に提出してください。印鑑は不要です。

記入の一例です

必ず必要な情報

①窓口での本人確認(免許証・マイナンバーカード・保険証など)
②自動車登録番号(ナンバープレート)
③車台番号(刻印されている末尾7ケタ)

なお、「申請又は請求の事由」を記入する欄があります。書無し車の場合、「車検証を紛失した車両を譲り受けるため、登録事項を確認する必要がある」といった内容で良いでしょう。

費用は現在の確認のみで良い場合は300円、詳細の確認をしたい場合は1,000円(情報量にしたがってプラスが出ます)です。大きな買い物の前にかかる経費としてはかなり少額ではないでしょうか。

情報が出てこない場合もあります

しかし、登録事項証明書を請求しても残念ながら陸運局側に情報がない場合があります。

職権抹消されてしまっている

ただ車検証を紛失したというだけであれば、管轄の陸運局にて再発行の手続きをすれば問題ありません。しかし、車検が切れてから3年(実際は税金の問題で5年ほどとも言われています)経った場合、登録情報自体が「職権抹消」されてしまいます。こちらも、登録されている所有者が陸運局に回復のお願いをする必要があります。

譲り受ける人だけでは回復は困難…

もっとも、職権抹消の回復は、登録されている所有者(もしくは鬼籍に入っている場合は相続人)が請求する必要があります。一度登録されている車というのは不動産と同じ扱いになりますので、あくまでも登録されている所有者が動くことが必要になってきます。また、あわせて、継続検査を受けようとする場合は自動車税の追納が必要となりますので注意が必要です。

なにごとも準備が大切です

清新電機の仕事も兼務しているなかで、「購入当初は面倒を見てもらえる業者さんがいたけれど、やめてしまってどこにお願いしたらいいのかわからない」、「古い車を取り扱ってくれる業者さんが減った」という話はよく聞きます。また、最近では事前にお願いできる業者さんを調べずに旧車を購入してしまう方もおられるようです。

旧車を購入する前に、まずはその旧車が今どんな状況にあるのか、仮に購入したとしメンテナンスをお願いできる業者さんがいるのか、そういった事前のリサーチと準備は重要です。ぜひ、ご自身で下調べなさってみてくださいね!

車検証が変わり、デジタル化により今後自動車登録手続きも変わっていきます。私自身もあらためて自動車登録についての学びを得ているところです。登録事項証明書の取得や車検証の再発行といった手続きの代行も弊所お受けしております。「時間がない」「手が空かない」といった状況にある方はお問い合わせください。

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